80年代シティポップが、昨今海外でも人気を博していますが、その中でも「大貫妙子」さんは草分けとも言える存在ですね。
本当に素敵な、おしゃれでいい曲がいっぱいです。
代表曲の「都会」、又、大貫妙子さんがコラボした坂本龍一との曲など、今回は曲を中心に考察してみます。
大貫妙子の代表曲「都会」
大貫妙子さんの人気曲、代表曲と言えば、やはり一番にこの「都会」があげられますね。
去る1977年7月にリリースされたセカンドアルバム、「SUNSHOWER」に収録されています。
何ともおしゃれな雰囲気が漂う曲です。
リズム感も心地よくて、夜の都会を思い浮かべます。
大貫妙子さんの歌声がしっとりと大人の雰囲気で、酔わされてしまいます。
今聞いても、まったく古い感じもしないですし、本当に名曲です。
後の、2015年8月に、同じアルバムに収録されていた「くすりをたくさん」と共にシングルになって発売されました。
大貫妙子、坂本龍一との関係とは?
さて、大貫妙子さんは、1976年に3年間活動した「シュガーベイブ」を解散して、その後、YMOを結成した坂本龍一さんたちにサポートを受けて、ソロで活動をされます。
その坂本龍一さんとは、多くの共演や共作をされていますが、当時から付き合っているとの噂はよくありました。間違いない、と言われていましたね。
真偽は分からなかったものの、坂本龍一さんは、2022年、とある文藝誌に、大貫妙子さんとは、一緒に暮らしていた時期があることを告白されています。
その時期など考察するに、大貫妙子さんとの同棲生活と別れの後に、矢野顕子さんとご結婚されているのですね。
大貫妙子さんが、その後発表された、「新しいシャツ」は、坂本龍一さんとの別れの歌っだと言うことを、当の坂本龍一さんも確信しておられて、この歌への思い入れも強いようです。
別れた時の、当時の彼女の気持ちを、改めてのぞいたような気分ってどんなだったでしょうか。
大貫妙子と坂本龍一との共作品
その後13年ぶりに共作、2010年11月に発表された、「UTAU」というアルバム。
大貫妙子さんが詞を書き、坂本龍一さんが曲をつけられた作品です。
坂本龍一さんは、もうこの頃には、親戚のような関係になっていたと言われていますが、大貫妙子さんのほうも、同じような気持ちだったのでしょうか・・・?
かの坂本龍一さんは、残念なことに、2023年3月28日に永眠されましたね。
大貫妙子さんは、同年4月3日のご自身のツイッターで、最期に対面できた報告と、弔意をつづられていました。
別れてしまったけれど、昔愛していた人を見送るのは、本当に辛かったことでしょう。
大貫妙子作の映画主題歌、ドラマ主題歌、CMソングは?
大貫妙子さんのさまざまの曲の中には、映画やドラマの主題歌も多くありますね。
●アニメ映画『キルクと魔女』のイメージソング・・・「裸のキリク」
●NHK総合『地球ファミリー』の主題歌・・・「The Wind Of My Heart」
●TBSドラマ『夏に恋する女たち』主題歌・・・「夏に恋する女たち」
●TBSドラマ『家裁の人』主題歌・・・「春の手紙」
●映画『Shall we ダンス?』主題歌・・・「Shall we dance」
●TBS『東芝日曜劇場』オープニングテーマ・・・「いつまでも」
○日立マクセルCM・・・「黒のクレール」(坂本龍一:編曲)
○資生堂キャンペーンソング・・・「ベジタブル」(坂本龍一:編曲)
○全日空「ANA’S EUROPE”飛遊人”」CM・・・「dreamland」
○カルピスウォーターCM・・・「しあわせのサンドイッチ」
○JR東日本CM・・・「美しい人よ」
○マックスファクターCM・・・「ただ」
●NHKみんなのうた・・・「みずうみ」、「金のまきば」、「メトロポリタン美術館」
本当にたくさんありますね。耳にしたことのある曲がおおかたです。
「メトロポリタン美術館」は特に、何だか不思議な雰囲気を持っていて好きな曲でした。
大貫妙子と矢野顕子、山下達郎、との交流
矢野顕子さんとは、ソロ活動を始めてから、45年もの交流があり、ヘアスタイルが同じようなので、「似てる」と言われたりもしていましたね。
このお二人には、坂本龍一さんが絡んでいたりもしますが、今となっては、同じ時代を駆け抜けてきた同胞のような存在でもあるのかもしれませんね。
大貫妙子さんの曲、「横顔」をコラボして、2018年にリリースされています。
さて、山下達郎さんとは、「シュガーベイブ」のメンバーだったり、曲を提供したり二人がずっと変わらず活動を続けてこられて、昨今海外での日本のシティポップが話題に上るようになったと言ってもいいのだと思います。
大貫妙子、高橋幸宏との交流
また、YMOのメンバーだった、高橋幸宏さんも大貫妙子さんをサポートしてこられたミュージシャンですが、2023年1月11日に、亡くなられます。
死因は、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎とのことです。
体調が良くない高橋幸宏さんと、2021年10月に、最後となるレコーディングをされたそうです。
曲は、大貫妙子さんの「ふたりの星をさがそう」です。
このときも大貫妙子さんは、snsで追悼の意を捧げられていました。
同じ時代を、音楽を通して一緒に過ごした仲間。
あまり会わなくなっていても、亡くしてしまうのは、寂しく、辛いものです。
大貫妙子の提供曲は?
さて、大貫妙子さんが提供された曲も、たくさんあります。
● 山下達郎・・・「ドリーミング・デイ」(作詞)
● 竹内まりや・・・「風になれるなら」「ハリウッド・カフェ」「ブルー・ホライズン」他
● 杏里・・・「Am I Afraid?」 「いつの日かHappy End」
● 石川セリ・・・「星くずの街で抱きしめて」他
● 矢野顕子・・・「いらないもん」
● 岩崎良美・・・「雨の停車場」他
● 竹下景子・・・「愛のレッスン」他
● 宮崎美子・・・「愛のアンブレラ」他
● 朝倉未稀・・・「SOMEDAY」他
● 原田知世・・・「地下鉄のサジ」他
● 薬師丸ひろ子・・・「白い散歩道」他
● 中森明菜・・・「ENDLESS」他
● 堀ちえみ・・・「ノスタルジー今昔」
● 松田聖子・・・「ティーン・エイジ」
● 工藤静香・・・「丘の上の小さな太陽」他
● 中山美穂・・・「メロディー」他
● 坂本龍一・・・「二人の果て featuring 今井美樹」他
● 八代亜紀・・・「あなたとふたり」
● 尾崎亜美・・・「Sweet Breath」
● 松たか子・・・「空とぶペンギン」
だいぶん抜粋しています。それにしてもすごい仕事量ですね。
大貫妙子さんの作詞へのニーズの高さを物語っていますね。
大貫妙子編、「TOUは何しに日本へ」
去る2017年8月のテレビ番組『YOUは何しに日本へ』で放映された「YOU」は、アメリカ人。
日本の音楽が好きで、とりわけ、大貫妙子さんが大好きで、母国では手に入らないレコードアルバム「SUNSHOWER」を探しにきたのです。
そのスティーブさん曰く、「日本のニューミュージックには、ソウルやファンクな要素があり、面白い」とのこと。
新宿の中古レコード店で、店長さんがその熱意に感じ入り、店のバックヤードに案内し、たくさんの在庫の中から、何と!見つけたそうなんです。
ずいぶんの時間を労した事でしょうね。その時のうれしそうな顔といったら!
店長さんも、当のスティーブさんも本当に満足そうなご様子でした。
大貫妙子さんも、その映像を見ておられ、とても喜んでおられました。
そして、後日談もあり、その5ヶ月後、スティーブさんは、大貫妙子さんのライブに参加するために、再来日されます。
そのライブ後、大貫妙子さんのマネージャーが、楽屋に呼んで引き合わせるのです。
英語で会話! アルバムにサインをもらったり、一緒に写真を撮ってもらったり、幸せな時間を持てたようです。大貫妙子さんたちの、粋なはからいですね。
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